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第3学年向け
昆虫の成長と体のつくり |
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ナミアゲハの幼虫が蛹になる(蛹化の)過程を,微速度撮影映像等を交えながら分かりやすく解説しています。チョウなどの完全変態の昆虫が卵から幼虫,蛹,という過程を経て成虫になることは当たり前のように考えられていますが,自然界では成長の途中でアリや寄生蜂,鳥の犠牲になるものがほとんどです。また,蛹化や羽化に失敗することも多いようです。本教材は今まで取り上げられることの少なかった蛹化の過程に注目し,幼虫が蛹になるために様々な準備をする様子を紹介したものであり,幼虫と蛹の微細構造の違いを各々の生活様式と関連付けながら考える授業(第3学年「昆虫と植物」の単元の発展)の中で活用しました。 児童からは,「よう虫からさなぎになるまでじゅんびをし,本当に大へんなんだと思いました」「 虫がきらいだったけど,糸をくぐろうとしてもがいているアゲハの幼虫がかわいくて,アゲハのよう虫のことが好きになった」「どの生き物にも生きる工夫があることを知りました」等の感想を得ることができました。蛹になるという1つのステップのためにどれだけの準備が必要か,またそのための体のつくりの工夫を同じ生きものとして共感しながら理解するとともに,自分たちの成長の過程を振り返り,生命の重さを改めて意識させることができる教材と考えます。なお本教材は,平成23年度全国自作視聴覚教材コンクール(財団法人 日本視聴覚教育協会主催)で入選したものです。 [撮影 辻 俊] |
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身近な自然の観察 |
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ダンゴムシの夏の大運動会 (02:46) |
大学2年生の自然探究実践法という授業において、私はダンゴムシを飼育してみました。ダンゴムシを選択した理由は、とても身近な生き物だからこそ私たちの気が付かない魅力が隠れているのではないか、そう考えたためです。飼育するにあたり、どの文献にも「交替制転向反応」という文字がありました。ある方向に曲がった次はその方向と逆向きに曲がるというものです。すなわちジグザグ歩きを行います。なぜ、このようにジグザグに歩むのかという原因は、まだはっきりとはわかっていないようで、文献によってもその理由が様々でした。ですが、一番大きい理由としてはジグザグに歩むことで天敵から逃れようとするのだそうです。そこで私は、ダンゴムシの交替制転向反応を利用した迷路をつくり実際にダンゴムシに迷路を歩いてもらいました。一見、複雑そうな迷路ですがジグザグに歩めばゴールにたどり着くようになっています。全てのダンゴムシがゴールまで行くのかなと思っていたら、まるでそこには人間のように個性あふれる大冒険が広がっていました。このダンゴムシの交替制転向反応という新たな発見と人間のような様々な面白い個性を子どもたちに伝えたいと思ったところ、今回の大運動会を思いつきました。賢いダンゴムシ、おっちょこちょいなダンゴムシ、まぬけなダンゴムシ・・・この大運動会を通して、ダンゴムシの面白さが伝わると思います。 [撮影 岩下 詩乃] |
楽しさいっぱい! ~アカハライモリの飼育~ (03:21) |
アカハライモリは日本の固有種であり、本州や九州、四国とその周辺の島嶼部に分布し,流れのほとんどない水田や池、川のよどみの中に生息しています。これらの地域ではイモリの仲間はこの種のみとなっています。両生類のイモリですが、名前が似ているためか爬虫類のヤモリとしばしば混同されます。現在、小中学校でイモリの飼育を授業の一環で取り扱うことはほとんどありません。しかし、餌は週2,3回与えれば良いなど、ほとんど飼育に手がかからない生き物であるため,子どもにとっても飼いやすく,生き物の生態を理解するための良い教材となるのではないでしょうか。 このビデオでは、あまり知られていないと思われるイモリのことについて簡単に紹介しています。餌を食べる様子やあくびなど、興味を持ちやすい映像を集めました。これを機に少しでもイモリに興味を持ってもらえると嬉しいです。 [撮影 谷合 沙綺] |
トンボの飛翔 (01:20) |
ヤツデの若葉にとまって縄張りを張っているオスのカワトンボ(ニホンカワトンボかアサヒナカワトンボ。見た目では区別がほとんどつかないそうです)が飛び立ち,また戻ってくる様子を600 fpsで高速度撮影しました(通常の撮影スピードは30 fps)。4枚の羽を別々に動かしているのが良く分かります。昆虫の多くは4枚の羽をもっていますが,4枚を別々に動かしてすことができるのはトンボの仲間に限られており,滑空飛行・急上昇・急降下・横滑り・急停止・ホバリング,バック転等非常に優れた飛翔能力をもっています。このオスはメスが産卵するための水辺の朽ち木(産卵基質)のまわりを定期的にパトロールしてもとの位置に戻ってきました。他のオスが近づいてくると追い払い,メスが現れるとホバリングして求愛行動をしてとなかなか忙しそうでした。オスの翅の色は濃い橙から無色まで様々で,無色の翅のオスは縄張りをもたず(メス羽は無色)に紛れてオスの縄張りに入り込み,こっそり交尾する場合もあるようですが,このオスは無色翅型ながらしっかり縄張りを守っていました。 [撮影 中西 史] |