弊社のvMixPCの概要

CPU:第10世代 i9-10940X
メモリ:64GB
GPU:NVIDIA GeForce RTX 2800Ti
キャプチャー:BMD DeckLink Quad HDMI Recorder
Cドライブ:SSD Samsung SSD 970 EVO Plus 1TB
>こちらにOSやアプリケーションなど
Dドライブ:SSD WDC WDS100T2B0A 1TB
>こちらにデスクトップやvMixの収録など
回線:NTTフレッツ光

いざテスト

vMixのプロジェクトは、弊社で通常使用している「1080p59.94」
BMD DeckLink Quad HDMI Recorderより4入力して、ノートPCよりNDIで1入力。デスクトップキャプチャーを2入力。これらをスクリプトでオートスイッチングしました。

収録はメイン録画1 > D:SSD
MP4 1080p59.94 25Mbps 384kbps
ハードウェアエンコード使用

メイン録画2 > D:SSD
MP4 1080p59.94 25Mbps 384kbps
ハードウェアエンコード使用

Streaming1 1440p60 14Mbps AAC320kbps
ハードウェアエンコード使用 > YouTubeLiveへ

Streaming2 1440p60 14Mbps AAC320kbps
ハードウェアエンコード使用 > FacebookLiveへ

MultiCorder1 > D:SSD HDMI1
MP4 12Mbps 384kbps
ハードウェアエンコード使用

MultiCorder2 > D:SSD HDMI2
MP4 12Mbps 384kbps
ハードウェアエンコード使用

検証結果

StreamingとRecordingを1時間実施しました。
1440p60fps 14MbpsによるYouTubeLiveとFacebookLiveへのStreamingは問題なく終了。Recordingもメイン・マルチともにDropframeも1フレも発生せず4本収録できています。

CPUの使用率は平均25%前後(タスクマネージャー値)
これが、vMixのフッター値だと、Total21%前後でした。
タスクマネージャーからリソースを見た場合のvMixのCPU使用率は、17%前後14MbpsとvMixフッター値のvMix使用率とほぼ同値。

メモリーに関しては16%前後。ネットワークは、14Mbpsを2本アップロードすると54Mbpsほどトータルでは消費しています。

一番不思議なのはGPU。vMixのフッターでは20%も使用していない値なのですが、タスクマネージャーによると53%くらい使用しています。vMix単独でも47%ほど。この差異は検証できず。

また、収録データですが、メイン1(Output1)とメイン2(Output3)。どちらも1080p59.94で25Mbps収録であり、収録はOutputであるのですが、ビットレート(容量)が異なっていました。同じ長さ、同じ素材、同じ設定にも関わらず、容量が異なったのは不思議です。
1080p59.94で25Mbps約1時間の収録で10GBとなっています。容量についてはMP4ですので、画面変異度合い等によってことなってきます。

考察

vMixによる配信において、CPUに関しては第10世代 i9-10940Xでも十分であり、i7でも問題ない(サブ機はノートでi7の10875H) メモリも32GBあれば十分なようだ。

ただ、GPUに関してはNVIDIA GeForce RTX 2800Tiでも使用率が50%を超え60%近くまでいくことがあるので、注意が必要。Streamingや収録もしていない状態でもタスクマネージャーでは30%ほど使用している。今回はStreamingも収録もハードウェアエンコードをしたが、CPU使用率が低いので、一部ソフトウェア(CPU)にしてもいいかもしれない。

PC選定にあたっては、CPUやメモリに関してはゲームPCで十分な能力ですが、GPUの選定は重要であると思われます。業務で複数収録や複数配信を実施するのであれば、2022年1月のラインナップだと、NVIDIA GeForce RTX 3080以上が必須です。

また、ビデオキャプチャーカードも重要な要素です。弊社のPCではBlackmagic Design社の「DeckLink Quad HDMI Recorder」や「DeckLink 8K Pro」を使用しています。これらはハードウェアエンコードタイプのキャプチャーディバイスです。このカード自体がエンコードをしてくれるため、CPUに負荷をかけません。
対して、Elgato社の「4K60 PRO」はソフトウェアエンコードタイプです。これはカードがエンコードをせず、CPUがエンコードします。そのため、入力するとCPU負荷が高まっていきます。聞いたお話によりますと、このカードはHDMI4入力できますが、1入力(HD)あたりi9のCPUで7-10%くらいのCPU使用率の上昇となり、4入力するとエンコードだけで40%ほど使用してしまいますから、vMix他の使用率と合わせて70~100%超になることもあるそうです。こうなると、収録にdropが発生してきますし、RenderTimeも15-20msecほどになってきます。同じElgato社のものでも「HD60 PRO」はハードウェアエンコードタイプです。

追加検証

上記検証ではStreamingで1440pの14Mbpsで検証しましたが、この時タスクマネージャーでGPU使用率を確認するとffmpegで18%ほど使用しています。これをプロジェクトと同じ1080pで6Mbpsにしてみるとffmpegで11%ほど。では、720pで6Mbpsにしてみると7%ほどに。逆に2160pで20Mbpsにしてみると40%に上昇。では2160pで10Mbpsにしてみると…。変わらず40%ほどとなった。

以上から、プロジェクトの設定に関わらず、ffmpegで再GPUエンコードをしていて、ビットレートはあまり関係なく、その解像度によってGPU使用率が変わってくることがわかった。

お問い合わせ

    vmix

    勝手に解説マニュアル~vMixの使い方-01-

    同じようなソフトには、Xsplit や OBS Studio などがありますが、特に映像も音声も出力系統の豊富さから、業務で配信を請けるのであれば使いこなしたいvMix。
    ですが、日本語のマニュアルや解説書が少なく、ネット上の情報も限られています。本書でvMixの世界を拓いてください。

    vMixは、Windows専用のライブビデオ制作ソフトウェアです。オーストラリアの StudioCoast Pty Ltd 社が開発しています。vMixは購入バージョンによって、標準解像度(SD)、高解像度(HD)、さらには4Kで制作できます。

    この-01-では、「第一章:vMixとは」、「第二章:インターフェイス」、「第三章:設定」、「第四章:入力」と解説しています。まだまだvMixのさわり部分です。

    次回は、「第五章:オーディオ」、「第六章:ビデオの録画(記録)」、「第七章:外部出力(外部)」、「第八章:ストリーム」「第九章:MultiCorder」、「第十章:プレイリスト」、「第十一章:オーバーレイ」とシリーズとして続けてまいります。

    vMixはとても多くの機能が詰まっており、全体では二十章くらいになってしまうのではないかと思っています。全体が完成してからですと、現状日本語の解説本が無い状況を打破できないので、まだ途中ですがださせていただきました。

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